「美術実技の受験準備っていつから始めたらいいんですか?」よくある質問です。
特に決まったものがあるわけではないのですが、入試の1~2年前から始めた方が良いと思います。もちろん早く始めるのは問題ありませんが、遅いと間に合わないことも考えられます。
大学入試ならば高2から始めると「やっぱり向いてないかな?」「こんな世界だと思わなかった」のようなことになっても進路変更の時間はまだ十分あります。
ところが、これが高3だと9月にはもう総合型選抜が始まりますので準備に半年もありませんし、やっぱり違う分野にしようとなった時に焦ります。高2の夏くらいからなら、そろそろ進路も考えなければなりませんしまだ余裕もあります。受験準備スタートにはちょうど良いのではないでしょうか?
知識を積み重ねていく座学とは違い、デッサンや色彩構成といった美術の実技力はすんなりと伸びるとは限りません。時間をかけてもだめなことも逆にあっという間に上達することもあります。個人の能力や素質、環境によるところも大きいです。試験準備には余裕を持って臨むことが良いでしょう。
また、美大入試はデッサンなどの実技試験によるものだけではなく、ポートフォリオ(自分の作品集)を事前に提出したり面接時に見せるなど日頃の制作活動をアピールしての選抜方式もあります(デッサンが必須ではないのです)。この場合、コンクールでの入選、受賞は大きなポイントです。
作品制作活動は時間もかかり、コンクールは締め切りもありますのでスケジュールを考えながら進める必要があるでしょう。多くの美大志望生徒が総合型選抜や推薦入試でアピールできる作品を高1、高2で制作しコンクールをめざしています。
美術系の高校入試では大学レベルの実技力が求められることはほぼないと言って差し支えないでしょう。音楽とは違い早期の美術教育は造形遊びから始まり、デッサン力に特化していません。
しかしながら選抜では描写や色彩の検査があり点数化されるのは事実ですので、基礎的な学習はしておいた方が有利で入学後も役立ちます。
中学生時の実技学習は一般科目の勉強を大事にしながら、基礎を無理なくゆっくりと、行うのが良いでしょう。